ニュース詳細

トップニュース一覧 > ニュース詳細

木津川市の「農地除外」問題 市、虚偽公文書を認める

木津川市の「農地除外」問題 市、虚偽公文書を認める

 京都府木津川市山城町上狛にある耕作農地を「20年以上にわたり荒廃した農地」として虚偽の農業振興地域整備計画変更の公文書を市農業委員会(河村穆会長)に提出、承認されていたことが明らかになり、これを撤回した木津川市(河井規子市長)は、他の除外理由で再度、農業委員会の承認を得ていたことが28日までの奈良日日新聞社の調べで分かった。さらに、この農地に隣接するハウスメーカーに賃貸か売却しようとしていることが発覚、「業者利用ありきの除外申請」を進めていたことも分かった。また農業委員会は、虚偽文書を見抜けなかったばかりか、その責任追及、検証もせず除外理由を変更しただけの文書内容を承認。「業者利用の除外ありき」で進めた河井市長と、それを容認した同委員会の姿勢にも批判が出そうだ。きょう29日に開かれる山城町土地改良区(八田由也理事長)の理事会でもこの農地除外が審議される見込みで、成り行きが注目される。
 問題の公文書は、同市山城町上狛南桑垣3番地〜10番地(合計面積7015平方)の農業振興地域の農用地除外を求める「山城町の農業振興地域整備計画変更に伴う意見について(照会)」。今年3月6日開催の農業委員会で承認されたものの、その後、地元農業委員の指摘で「20年以上にわたり荒廃した農地」とした除外理由が虚偽だったことが発覚。さらに、現地調査さえも行っていないことが分かった。
 市はその後、現地調査を行い、虚偽文書を取り下げるとともに「転用しても他の農用地に影響を及ぼさない」とした変更文書を新たに作成し、今月8日開催の農業委員会に諮った。
 これに対し地元農業委員らが「虚偽が見つかると取り下げ、新たな理由をつけて再度意見照会を求めてきたのは、除外ありきで進めていたことにほかならない。隣接する会社に転用するのが目的で、これでは農振区域の意味がない。農振法で定める農用地除外の4項目をすべて満たしていない」と指摘したことから、委員会は紛糾。結局、審議不十分として採決までに至らなかった。
 ところが、この農業委員の指摘を無視する形で今月17日に急きょ農業委員会を開催。従来、挙手で採決していたにもかかわらず、この日は事前の運営委員会で無記名投票による採決とすることを決め、地元の農業委員の反対を押し切り、多くの委員が現地の事情を理解できないとみられる中、賛成多数で承認された。
 農業委員会は「除外ありき」の虚偽公文書をいったんは承認、さらに虚偽公文書作成の責任問題を追及せず、除外理由を変更した文書の内容を承認するなど、委員会のあり方を厳しく問う声も出ている。
 市は虚偽文書について当初は「事務的なミスによるもの」としていたが、その後の取材で「現地調査をしなかったのは職務怠慢で、事実と違うことを書いた」と虚偽であることを認めた。さらに、問題の農地は隣接するハウスメーカーのナガワ(本社・埼玉県)に資材置き場として、賃貸するか売却することを目的にしていることも判明。優良農地の確保を目的とした農業振興地域制度を無視していたことも分かった。
 農振法では、農用地除外についての必要性と適当性、さらに非代替性などの要件をすべて満たす必要がある。農業振興地域は、優良農地の確保が目的。地元の人は、問題となっている土地は「除外要件を満たしていない」と指摘している。
 農用地除外については基礎調査を含め全体的な見直しの中で整備の方向を決める特別管理になっているが、今回の場合、「特別管理の前倒しによる一般管理」という曖昧(あいまい)な表現を用いて進めるなど、市に対する不信が強まっている。
 山城町土地改良区理事会は、きょう29日午後8時から山城町福祉センターで開かれる予定。八田理事長は山城町の農業委員会会長経験者でもあり、今回の農振除外問題の対応によっては他の地域に影響が及ぶことも考えられ、どのような審議がなされるか注目される。
 また、木津川市では同市木津川台の宅地開発事業で、一部用地をめぐって同市と不動産会社などの間を所有権が二転三転するなど、行政の進め方について疑問視する声も上がっている。[2009年06月29日]

>>>続きは本紙をご覧下さい ⇒購読のお申し込み

  • 凛と咲く〜輝く女性たち
  • バックナンバー購入のご案内
  • 会社情報
  • お問い合わせ

ホームニュース論点悠言録

バックナンバー購入会社情報お問い合わせ

当サイトに掲載の記事・写真・図版などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権並びに国際条約により保護されています。

Copyright Nara Nichinichi Newspaper